「memento」について。

「memento」とは、ラテン語で「記憶」という意味を持つ言葉。日々の流れの中で忘れがちな瞬間を、まるで手のひらに残された小さな記憶の断片のように、大切に留めておくための言葉です。古着もまた、そんな「記憶」を宿す存在です。

古着を手に取るたびに、その布の中に息づく歴史を感じます。擦り切れたジーンズの縫い目や、少し色あせたTシャツの胸元には、かつて誰かの温もりや時間が詰まっている。着ていた人の思い出や、彼らの歩んだ道が、この小さな衣服に込められているかのようです。

それらの古着は、ただの物ではなく、一つ一つが「memento」、忘れられた記憶の断片を運んでいます。誰かが笑った日、涙を流した日、そしてどこかの街角で風に吹かれながら過ごした時間の一部。私たちはその記憶を引き継ぎ、次の物語を紡ぐことができるのです。

古着の持つ「過去」と私たちの「現在」が交差する瞬間、そこには何か特別な力が生まれます。もしその服を通して、誰かの人生の一部を感じることができたなら、それはまさに「memento」―忘れがたい記憶のプレゼントです。

この服、あのシューズ、どこかの古びたジャケット。それらは過去を背負いながら、今もなお新しい物語を待っている。次は誰の手に渡り、どんな風景と出会うのだろうか。古着が語る「記憶」は、時間を超えて、どこまでも広がっていくのです。